サーフィン

セミドライウエットスーツ。股からの浸水簡易リペア法

新品のウエットスーツならいざ知らず、数年使っているとよくあるのが、股からの浸水。波待ちするたび足を開いたり閉じたり、また、デッキに何度も擦れたりとウエットの部位で最も酷使されるのが股の部分です。

「少しくらいの浸水ならいいや」と思いきやさすがに2月、3月の海水温ではかなり堪えます。

そんなわけで、今回はウエットボンドを使った簡易リペア方法をご紹介します。
※失敗のリスクもあります。この先長く使う場合はプロショップに依頼してください。

やらない方がいい修理方法(失敗談)

ウエットスーツのパーツ接合部は、基本的に接着剤で貼り合わせます。そして、糸で縫いつけたり、アイロンシートの様なメルコテープと呼ばれるものを接合部に貼り補強します。

製造方法はメーカーによって様々です。

私の安物ウエットは、接着剤で接合後、表面は糸ですくい縫い、裏はメルコテープでの補強されてます。
今回、股のあたりから「プクプクプク」という細かい気泡を感じ、浸水を意識。

そこで、ウエットボンドで補修を試みました。
流れはこんな感じ、

  1. 浸水箇所と思われる部分を特定(これって正直わからないので感覚で)
  2. メルコテープを無理やり剥がす
  3. 接合部に接着剤を盛り、隙間と思しき箇所には爪楊枝で接着剤を押し込む
  4. 5~10分放置し接着剤を乾燥させる
  5. べたべたしないくらいに乾いたら接合部の上と下の生地を両指でつまみ圧着
  6. アイロンでメルコテープを貼り補強

こんな感じの仕上がりです。

早速、張り切って海に入ってみると、なんと以前と一切変わらない
残念ながら全く補修になってませんでした。よくよく考えると、コーキングボンドでもないし、仮にコーキング的な役割をするとしても接着面がツルツルならまだしも起毛のように凸凹だと密着しません。
なんとなく補修した気にはなりますが、おすすめできない方法です。

そこで、今回ご紹介するのが、「簡易切開手術」
接合面を切り開いてから断面を密着させる補修方法です。

簡易切開リペア方法

用意するものはこの5点です。

  • ウエットボンド
  • 刃の先端が新品のカッター
  • 爪楊枝
  • メルコテープ
  • アイロン

メルコテープの剥がし方

無理やりベリベリ剥がすと起毛も剥げます。そこで、アイロンを使います。


中温度で5秒くらい当てると接着力が弱まり簡単に剥がれます。一発で剥がれない場合は、何度か繰り返します。ただし、5秒以上当てない方が無難です。

接合部の切開

ここからやや神経を使う作業です。カッターを使います。

傷んでいる刃先は綺麗に切開できず失敗しますので、必ず刃先は折るなどして新品状態にしてください。

接合部に沿って刃先を入れ切開します。この時、貫通はさせないでください。表の皮一枚で繋がってるのをイメージします。5㎜素材の場合、4.5㎜くらいまで、こんな感じにです。

貫通させると表の糸を切るなど、リスクが伴うので注意してください。

 

この巣の様な穴が浸水原因でしょうか?

ちなみに本格的なリペアの場合、断面の端、数ミリは切り落とし綺麗な断面同士で接合させるようです。

接着剤塗布

断面にウエットボンドを塗ります。

 

ここで重要なのが「盛る」というより「擦り込む」ことです。皮膚が弱くない方は指でやるのがおすすめです。

 

指についた接着剤は、指同士で擦ると剥がれます。

見た感じ接着剤が付いてないと思えるほど擦り込むのが正解です。こうすることで、素材と素材の密着度と接合面の柔軟性を保てます。

接着剤乾燥

断面を離した状態で5~10分待ちます。ベトベトしなくなればOKです。

圧着

指で圧着。1か所30秒くらいで徐々にずらしながら圧着していきます。
こんな感じで圧着した所は密着します。あとは、24時間以上放置です。

補強

補強のためメルコテープを貼ります。アイロン中温度で5秒ずつ、ずらしながら当てていきます。

以上で簡易リペアは完了です!

まとめ

昔に比べるとウエットスーツの素材は格段に進化をしています。ハイグレードモデルは心配ないかもですが、私の使っているグレードだと股の浸水は遅かれ早かれ永遠の付き物のような気がします。

浸水は、替え時の合図でもありますが、冬シーズン前半の浸水だと来期までは何とか持たせたいと思うのが人の常。そんな時、このリペア法を試してみてください。

それでは、怪我に気を付けて冬のサーフィンをお楽しみください!

 

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