30プリウス。【危険!】雨の日のブレーキ抜けに要注意

30プリウスに発売時から乗っている方は今や僅かで、殆どの方が中古で乗っているのではないでしょうか。かくいう私も、ご多分に漏れず中古購入で間もなく14万キロ到達です。

面白味があるとは決して言えませんが、安定感や燃費はもとより、耐久性に関しては流石のトヨタと感心します。ちなみにブレーキパットは13万キロ弱で初交換、現時点で塩梅が悪いのは左ミラー格納モーターの故障、リヤスポイラーの塗装はげくらいで、あとは全く問題無しです。

ところが、1点だけ前々から気になっていたことがあります。

これ、かなりの恐怖なのですが、実は、雨の日のブレーキです。減速時にマンホールやクレーチング(格子状の鉄の溝蓋)の上を通過すると一瞬ブレーキが抜けた(効かない)ようになるのです。

この話し、どうやら2010年頃にちょっとした騒ぎになったようですが、中古オーナーの方は知らないと思うので再考察してみました。

発生状況

私の場合、雨天時、右左折する際の減速時によく発生します。画像で見て頂けるとわかり易いですが、

A:右折をするための減速時に溝蓋となっているクレーチングを踏んだ瞬間、×印くらいまでブレーキが解放されたようになり、その後、利きが回復されます。減速中に「ツルーッ」と滑ったようになり、その後ググっと効きだすイメージです。

 

B:こちらは左折です。左の前輪がマンホールに乗った瞬間に同様の症状が出ました。

両方とも距離にしておおよそ5m前後、いわゆる車1台分でしょうか。

毎回減速時は停車位置を自然に想定しますが、あきらかなオーバーランになるので人や車がいたらと思うとかなりぞっとします。

トヨタディラーの対応

車検時に相談したのですが、「ABSが効いてる証拠です!」と鼻にもかけてくれませんでした。まあ、ここのお店はかなり・・・なんで、頼るのは無理そうです。

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原因を調べると

雨天時に低い速度域から、弱いブレーキを掛けつつ、マンホールや凍結した路面、段差などを通過した際、ブレーキが完全に効かなくなり空走する症状が多々あるようです。単純にABSの作動や誤作動で片付けられる問題ではなさそうです。

プリウスのブレーキシステムは普通のクルマと同じで4輪に作用する油圧ブレーキとモーターを発電機として稼働させ、電力をリサイクルし前輪のみに作用する回生ブレーキが組み合わされています。車速があまり高くない状態だと、この回生ブレーキが主に作動するそうです。

で、この回生ブレーキの最中に、濡れたマンホールなどを踏むと路面との抵抗がなくなりタイヤのロックを感知。そして、本来なら瞬時に回生ブレーキを終了し、4輪の油圧ブレーキに切り替えねばならないが、この切り替わりにラグタイム出るためすっぽ抜けを感じるそうです。

つまり、回生ブレーキではABSは利かず、慌てて回生を終了させ油圧に切り替えるが、この反応が一瞬遅れるとのことのようです。

私個人の考察は、回生ブレーキ中にマンホールを踏んだときの微妙な上下振動が誤作動を招いているのではないかとも思っています。
そういえば、過去に一度、橋の頂点で前の車が減速したので軽くブレーキを踏んだ時、繋ぎ目で振動を感じた瞬間スッーと流れ、かなり肝を冷やしたことを今思い出しました。

対策はあるのだろうか?

この話しは、自動車雑誌の「ベストカー」で記事が出て、それを読んだ朝日新聞の記者が記事にしたら、トヨタも認めたようで、2011年1月生産の車からは、すっぽ抜けしない制御コンピューターに切り替わっているようです。また、既に出回っている車についてはリコール対応が当時あったようですが、中古の場合はいざ知らずですね。

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まとめ

既に13年落ちですし、メインバッテリーの保証期間も既に切れているのとディラーマンの知識や対応には期待は持てないので、この事象をしっかり理解し、自分自身で注意するしかなさそうです。
とわいえ、車の挙動の想定外を想定するのはかなり難儀なので、古い車でもメーカーが対応してくれると有難い限りですが。

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