12万キロ走行の30プリウス。足回り(KYBへ)の交換は絶対おすすめ

我が家のZVW30プリウス(2009年式前期モデル)も気付けば12万キロ走破。買い替えも視野に入るなか、「まだ走るでしょ」の一言で車検を通すことが決定。ならば、せめてサスペンション(足回り)くらいはリニューアルしようとなったのです。

というのも、曲がる、止まる、まっすぐ走るのあらゆるシーンにおいて車の挙動にストレスと恐怖を感じるようになってしまった。要するに足回りがヘタっているのです。

そんな訳で、本来の機能を蘇らせたくショックアブソーバの交換となったのですが、折角なので若干のグレードアップを狙い社外品である「KYB NEW SRスペシャル」を選んでみた。
更に、どうせやるならということでダンパーだけでなくサスペンションを構成するゴム(ブッシュ)類の周辺パーツも併せて新品にしてみた。
すると、なんとなんと驚くほど良い方に激変したのです。

12万キロ走破で体感するストレス

サスペンションと言われても車好きでもない限りあまり関心が無いのではないでしょうか。でも、役割は重要。タイヤとボディーの間に位置し、路面からの衝撃や振動を吸収したり、コーナリング中の車体の傾きを安定させる役割がある。構成パーツは、ショックアブソーバ、スプリング、アーム類である。

特にショックアブソーバ(ショックやダンパーなどとも呼ばれる)は、サスペンションの中でも最重要。役割は後述しますが、ボディーとタイヤの間にある円柱形のパーツで中にオイルとガスが封入されている。

出典:KYB株式会社

このショックアブソーバ、耐久性は8~10万キロが目安と言われてますが、突然壊れたり、ブレーキパッドみたいに音が出るわけではないので、ヘタってきても全く気付かない人も多いと思います。

そこで、足回りがヘタるとどういう現象が起こるかをまとめてみました。

  1. 道路のうねりや段差通過時、船が波を超える時のような縦揺れを感じる。同乗者は頭の位置がゆらゆら変わるので三半規管を揺さぶられ車酔いしやすい。
  2. 例えば、右側のタイヤでマンホールを通過した時、左右にゆらっとした横揺れを感じ、その微振動がすぐ収まらず不快を感じる。(体感しずらいが、三半規管は揺さぶられる)
  3. コーナーでステアリングを切るとリニアに反応せず、車体がゆらーっと傾き、その挙動の終息もワンテンポ遅い。
  4. コーナーが続く道を一定速度でリズミカルに走ったり、高速道路の出口カーブなど自然と車速が高くなるシーンでは、横Gと車体の傾きの制御が遅く曲がり切れない恐怖を感じる。また、次の動作に入っても直前の動きが収束されずキビキビ動かない。

どうですか?こんな感覚に陥ったことはありませんか。

ショックアブソーバの役割とは?

今回、アブソーバの構造については割愛させていただきます。

役割について2つのシーンで簡単に説明します。

  • まず、直進時。
    車はスプリング(ばね)で路面からの衝撃を受け止めますが、スプリングというのは、一回の入力に対し「ビヨン、ビヨン」という反復運動を繰り返します。
    アブソーバが無い状態だと車体はいつまでも揺れていますが、その動きをアブソーバの減衰力で制御します。要するに、ばねの反復運動のスピードを制御しかつ収束させることで車体を安定させるのです。
  • そして、コーナリングシーン。
    右コーナーを頭に思い浮かべてください。
    ステアリングを右に切ると遠心力で車体は左側に沈みます。スプリング自体は、左側が縮み、右側が伸びます。この時、スプリングのみだと一気に車体が傾き重心位置が大きく変わるのでコントロールしづらくなります。
    そして、次の動作(逆コーナー)に入っても直前の挙動が収まらないのでコントロール性も低く、下手すれば恐怖を感じます。そこをアブソーバの減衰力でスプリングの伸縮スピードや反復運動を制御し車体を安定させるのです。

「何言ってるかわからない???」かもですが、こう考えるとわかり易いかもです。

有能なスポーツ選手は体の上下動や左右の動きに対し頭の位置は殆ど変わらないですよね。
これと一緒で車の場合も出来るだけ重心位置の移動が少ない方がスムーズに走らせることができるのです。要は前後左右に動くボディーの挙動をアブソーバで減衰を効かせ制御することで走りを安定させる役割を担うのです。

ショックはKYB(カヤバ)NEW SRスペシャル

アフターパーツ(オートバックスなどの量販店やカーショップで販売)というと何となく走り屋さん御用達で、ごつごつ感が増し、乗り心地が悪くなるイメージがありますが、このKYB NEW SRは、純正の乗り心地は出来るだけ損なわず、減衰力特性を最適にセッティングすることで、コーナリングやブレーキング性能をアップさせるというコンセプトで味付けされています。

簡単に言うと家族などの同乗者に気付かれることなく、走りのグレードアップが可能で、ストレスフルで気持ちよく車を走らせることができるのです。

そして、アブソーバの形状は純正部品と全く一緒なので車検も問題無しです。

また、減衰特性こそ純正と違いますが内部の構造部品であるピストンやオイルシールなども純正品と同一(KYBは、トヨタにOEM供給もしています)なので耐久性も同じくらいと思われます。

一緒に替えることをおすすめする部品

ショック交換だけでもそこそこ変化を体感できると思いますが、12万キロ走行ともなると、ベアリングやブッシュ類などのゴム製品もかなり痛んでいるので今回総交換することにしました。これが、激変の最大のポイントでした。

では、パーツ探しから説明したいと思います。

パーツリスト検索

まずは、車種ごとのパーツリストで構成部品を確認するのですが、一般の人にはそう簡単に入手できるものでありません。と、思いきや素晴らしいサイトがありました。

ここに会員登録するとパーツリストそのものやパーツの構成図がばっちり見れます。のちのち、メルマガなどが頻繁に送られてくるなんてことも無いので登録は必須です。

ちなみに、我が家のプリウスは2009年前期Gツーリングセレクション・レザーパッケージですが、これらのパーツを同時交換しました。

純正部品の購入先

最初に思いつくのは、トヨタ部品共販ですかね。トヨタ純正部品をディーラーや修理工場への卸をしている会社です。個人への販売もしているようです。でも、基本定価販売。なので、少しでも安く調達したい方におすすめなのが「モノタロウ」

普段は定価なのですが、月に1回「自動車用品」が10%引きの特価デーがあります。もちろん純正部品も対象なのでこの日がおすすめです。

リニューアル後のレビュー

まず、ごつごつ感は殆ど感じません。むしろ、車をいじった経験のある人には物足りないくらいです。

でも、走り出してまず感じるのは、路面の凹凸に対する細かいピッチの不快な横揺れが消滅したことです。これだけでも、今までのストレスが拭い去れます。

そして、段差やわだちによる衝撃も一発で吸収し、反復運動をによる頭のゆらゆらが無くなりました。

続いてコーナリング。ステアリングを切るとスッと車のノーズが進みたい方向に入ります。今までは、まず車体が外側に傾き、ワンテンポ遅れて曲がり始める感じでしたが、ハンドル操作に車体がリニアに反応します。なので、連続したコーナーも軽快に向きが変わり「気持ちいいー!」って感じです。

そして、ブレーキングも車体の沈み込むスピードが抑制されるので重心移動が少なく、やはりリニアに反応するように感じます。

要は、全ての動きにおいて重心移動が少なくなっておりストレスフルなのです。

でも、実はこれって車自身の上下左右の動きが無くなったわけではないのです。

車の速度や車体の重量によるその時々の挙動スピードをショックアブソーバの減衰力でバランスさせることで、重心移動もスムーズになり、ストレスを感じさせない動きになるのです。ちょっとマニアックですかね、、、

まとめ

ショックアブソーバの減衰力というととても奥が深いので、あまり深くは考えず、今回「KYB NEW SRスペシャル」を選びましたが、驚くほど激変しました。

30プリウスは、走って楽しい車では全くありませんが、スムーズに気持ちよく走るためには大成功でした。今まで感じたストレスや恐怖もほぼ無くなります。

これだけ良くなって敢えて感じた欲を言うと、もう少ししなやかで粘りのある質感が欲しくなるところですが、KYBでは最上級グレードで「Extage」という商品があるようです。

でも、ちょっとお値段が、、、、

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