ついに保険の車両料率クラスが上がったプリウス。なぜ、事故が増えているのか?

テレビのニュースで高齢者の重大事故が度々取りざたされている。
そして、画面に映し出される車は結構な確率でZVW30プリウスだ。
そんなのもあり、「プリウスを見たら近寄るな」とまで、まことしやかに囁かれているのも事実である。

しかし、プリウス乗りからすると、「いやいや、違うでしょ。販売累計台数160万台、絶対数が多いから目立つだけ」と主張したくなるところですが、事実として車両の保険料率がついにアップしたのだ。
これは、盗まれる車No.1というのもあるが、急発進などの事故が多い確たる証拠でもある。
今回は何故、ZVW30プリウスの誤発進事故が多いのかを考察してみました。

車両料率クラスとは?

自動車保険で、等級というのを耳にすることは多いと思う。これは、契約者が保険を使わず1年を過ごすと、翌年から等級が一つ上がり、上がれば上がるほど保険料が下がるという仕組みである。

そしてもう一つ、乗ってる車によっても保険料が変わるのです。

これが車両料率クラスといい、「対人賠償」・「対物賠償」・「搭乗者傷害・人身傷害」・「車両」のそれぞれについて、車の型式ごとの過去の事故データに基づいて1~9の料率クラスに区分し、それが保険料に反映される。
料率クラスは1年ごとに見直され、毎年の契約に適用される仕組みとなっており、料率クラスが9に近づくにつれて保険料が高くなり、1に近づくにつれて保険料が安くなる。

例えば、コンパクトカーなどは、さほどスピードを出すものでもないという概念から「対人・対物」の数字が低く、逆にスポーツタイプはスピードを出し攻める人が多いという概念から、事故った時の被害が大きいとみて「対人・対物、そして車両」共々数字が高いのだ。
ちなみに輸入車なんかは、中古市場だと値落ちが激しくお得な金額で購入できるが、実は元々の金額が高く、部品も高いので車両の料率は結構高いのです。

ZVW30プリウスは?

まず、今回なぜこんな事を記事にしたかというと、自動車保険の更新を見積もった際、等級は上がるのに保険料にさほど変化が無かったのがきっかけです。

んっ?と思いよく見ると、今までZVW30プリウスは、「対人4・対物4・傷害5・車両5」だったのが、「対人5・対物5・傷害5・車両5」に上がってるではないですか。

※2020年4月時点でなんと「対人9・対物9・傷害10・車両8」に!

なるほど。急発進させて人を跳ねてしまったり、コンビニ突っ込んだりするシーンで映し出されるプリウス、絶対数が多いのもあるなと思っていたが、実際に事故が多く被害も増えてるという事が如実に反映されたわけだ。

では、なぜ、対人・対物が増えたのか自分なりに考察してみた。

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ZVW30プリウスの事故はなぜ増えつつあるのか?

これは、まさにドライバーの高齢化が第一要因だと思われる。

では、なぜプリウス乗りに高齢ドライバーが多いのか?というと2つ考えられます。
1つは、プリウスが発売されて補助金ががっつり出た時代に購入した方々が沢山いますが、当然、当時50代だった方もかなりいたと思われます。発売から約10年、単純にその人たちが高齢化したというのが1つ目。

そして、もう1つ、累計販売台数160万台を誇るだけあり第2のマーケット、いわゆる中古市場が確立された。エコカーというだけあり乱暴に乗る人も少なく車両の程度がソコソコ良い状態で、手頃な値段で販売されている。自分もそれで購入したくちだが、ましてや現役を引退し年金生活に入る方々が、ソコソコ頑丈でランニングコストが安いものとなるとZVW30 プリウスの選択肢は高まるのではないでしょうか。
その証拠に、私の自宅周辺の高齢者はかなりの確率でプリウスに買い替えている。

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そして、高齢者の急発進などによる事故、これはプリウスのとある特徴から導き出されていると思っている。

体の動きに判断能力がついていけない

これは、プリウスのシフトレバーの動かし方に大きな原因が潜んでいる。
オートマチックのシフトレバーの多くは、停車時はパーキング(P)モード、そしてバックのリバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)、ローと一点を軸にしたシフトレバーの一連の動作が多いと思います。

ところが、プリウスはというと、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)、エンジンブレーキ(B)は、シフトレバーでの操作だが、パーキング(P)はレバーの横にあるボタンを押すのだ。

しかも、シフトレバーは軽い力でちょこっと右に倒し、前にするか後ろにするかで前進、後退ができる。

そして、パーキングはこの作業で自動解除となるのだ。もう、この時点で、パーキングモードの存在は薄れてしまう。

この、まるでおもちゃでもあつかう感覚で「カチャカチャ」とシフトレバーにタッチし車を動かすことができるというのが危険なのだ。

そう、脳が危険だと判断するより速く手足が動いているのだ。

「あっ!」と思った瞬間アクセルとブレーキを踏み間違える。そして、次の命令信号が脳に到達するのも衰えているため大事故につながるのだ。

車庫入れ中の老人を見たら要注意!

コンビニやスーパー、ショッピングモールなどで車庫入れ中のプリウスを見たら出来るだけ近づかない方がいいです。特にお子さんがいる場合、「近寄るな!」と教え込んでも過言ではないと思う。

というのも、この車庫入れの一連の作業で多くの人が必ず起こす過ちがプリウスにはある。

車庫入れを完結させてからエンジンを切るまでの流れを想像してほしい。
通常、シフトレバーに手を置いた状態からギアをパーキングに入れ、サイドブレーキをかけ、エンジンを切るという3工程で、多くの方の体にもこの流れは染みついていると思う。

 

しかし、プリウスの場合、シフトレバーから手を離しパーキングボタンを押し、左足でパーキングブレーキをかけ、最後にパワースイッチを押しエンジンを切るという4工程になる。しかも、指先で押すという作業が2回も出てくる。この「押す」という作業がくせ者。
今まで会得した動きとは違う「押す」という作業。常人でもこんがらがりやすい。結果、押し忘れを招いてしまう。

となるとどうなるか?

そう、ブレーキから足を離すとクリーピングで動き出すのだ。
恐らくプリウスでこの経験をした人は少なくはないと思う。かくいう私もである。
慌ててブレーキを踏み、事無きを得るが、これが判断能力や反射神経が鈍ってきてる場合だとどうなるかは考えると恐ろしい。

まとめ

こう考えると、「販売台数が多いから神話」は崩れ、実際にZVW30 プリウスの死傷事故が増えていることがわかる。実際、自分もこの記事を書いてるだけあり誤操作をしており、その予備軍かと思うとゾッとする。


新車販売からそろそろ10年、トヨタによるハイブリッド用バッテリーの保証期間が切れるのもあり、中古車販売も頭打ちになるとは思うが、今乗ってる人たちは自分も含めどんどん高齢化が余儀なくされる。

「ZVW30 プリウスを見たら出来るだけ近寄るな!」は、今や皮肉ではなくなっている。
皆さん、くれぐれもご注意ください!

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