プリウス事故多発。原因は運転能力?それともシフトレバーの構造?

昨年、プリウスの保険料率の上昇やなぜ事故が多いかについて記事にしましたが、相変わらず事故が減る気配はない。高齢者による痛ましい事故ふくめ、何故ここまで増えてしまったのか、また、今後減る傾向にはあるのだろうか?
時代背景含め、様々な角度から検証してみようと思います。
※あくまでも全て私見となります。

ハイブリッド時代

今から10年前。2009年に3代目プリウス(ZVW30)が発売された。車両価格にして200万強。そして、エコカー減税と補助金により古い車からの買い替えなら40万近くも優遇された。
カローラ時代から、「いつかはクラウン」に憧れながら、燻っていた中高年やガソリン代などの経済性に捉われ「車が好きな人」というより「足として乗る」人がこぞって購入した時代です。
そんな、人達もいまや50代、60代。

保険料率

私の乗っている3代目プリウスの保険料率は、「対人5・対物5・傷害5・車両5」です。

※2020年4月時点でなんと「対人9・対物9・傷害10・車両8」に!

ついに保険の車両料率クラスが上がったプリウス。なぜ、事故が増えているのか?またしてもプリウスに乗った高齢者による痛ましい事故が発生。シフトレバーの構造的な問題もあるが、それ以外にも様々な要因が。今回は保険料率もうなぎ登り、見かけたら避けるべき高齢者運転のプリウスに迫る。...

ところが、一世代前の2代目は、

人に対する事故、いわゆる対人が「6」と高い。これの意味するところは、「車両価値は低いが運転手に難あり」ということでしょうか。
確かに、いまだに街で時々見かけるが、ちょっと怖い運転の人が多く、覗き見ると往々にして高齢ドライバーなのは事実である。

そして、現行の50型と呼ばれるプリウス。

ZVW51の対人が「6」と意外に高いことに気付く。
あれ?同じ型のプリウスなのになぜ?となりますが、これは、車のグレードによるものではないでしょうか。

50系のプリウスのグレードは、「E」「S」「A」「Aプレミアム」の4種類。

「E」が燃費特化型でオプションレスの廉価版、「S」が事実上のベースグレードです。
表からも見て取れますが、ZVW50は、「S」しかありません。

一方で、ZVW51については、「S」以外の全てのグレードが揃っています。しかし、上位クラスの「A」や「Aプレミアム」には踏み間違い事故防止機能も標準装備されているのに、なぜ対人が「6」?

ちなみに、50と51の違いですが、バッテリーの違いだそうです。

  • 50 ニッケル水素電池
  • 51 リチウムイオン電池
    ※性能は一緒だが、リチウムの方が15㎏軽量

ここから想像できるのは(あくまでも勝手な想像ですが)、補助金などで優遇された方々の買い替え需要です。
当時200万を切った価格で購入してるが故、「同じプリウスなのに高くなるのはどうしてだ!」なる心理が働き、「S」以上のグレードには手を出せず、経済的に走れれば良い程度で廉価版(240万)である「E」を購入する方々(往々にして高齢者)が多いのではないでしょうか。その層の対人事故が保険料率に反映されてるような気がします。

やっぱりシフトレバーの構造が原因?

昔から車を運転していた方なら皆さん感じていると思いますが、道を覚える能力が著しく低下していませんか?私もそうです。

以前は地図を見ながら、頭を使い、考えながら走ったものです。ところが、カーナビの当たり前の様な普及やスマホアプリの進化で、ボーッとしたまま目的地にたどり着ける時代になりました。運転能力の一つが完全に退化したのです。

一方、プリウスのシフトレバーについても同じことが言えます。従来のレバーは、「ニュートラル」「ドライブ」「パーキング」と、それぞれ位置が変わるので、実際にレバーに目を落とさなくても、五感でどこに入っているか何となく感じたのではないでしょうか。

ところがプリウスの場合、何処に入れようがレバーの現在地は同じです。つまり、人間が無意識でも自然に発揮していた集中力の一つを放棄できる車なのです。こうして、従来持っていた運転能力のレベルが徐々に退化します。ましてや、高齢者ともなると言わずもがなです。
全てとは言いませんが、やはり、プリウスのシフトレバーの構造にも事故原因の一端はあると思います。

ついに保険の車両料率クラスが上がったプリウス。なぜ、事故が増えているのか?またしてもプリウスに乗った高齢者による痛ましい事故が発生。シフトレバーの構造的な問題もあるが、それ以外にも様々な要因が。今回は保険料率もうなぎ登り、見かけたら避けるべき高齢者運転のプリウスに迫る。...

車両の絶対数が多いのでは?

累計250万台も売れたので、車両が多いだけあって事故も多いと思ったが、意外や意外、平成時代の販売総数をみるとプリウスは4位なのです。

【平成の時代に売れた車ランキング】

  1. カローラ 約511万台
  2. フィット 約275万台
  3. クラウン 約261万台
  4. プリウス 約254万台
  5. ヴィッツ 約215万台

ここでふっと思ったのが、フィットの方が多いのに、事故は目立っていないということ。(カローラは、平成の初期に売れたアドバンテージだと思うので今回は考えません)

想像の範囲ですが、これにも明確な理由があります。
フィットの多くは、昔ながらの「ガチャガチャ」タイプのシフトレバーです。

2013年。30プリウスに遅れること4年。ようやくハイブリットを発売しました。そして、ハイブリッド車についてはプリウスに近いシフトレバーを採用しています。恐らく、まだ、プリウスほどハイブリッドが出回っているわけではないんでしょうね。でも、いずれ似たような事故が増えそうな気はしますが。

車両の欠陥?

「ブレーキを踏んでいたのに」、「アクセルは踏んでないのに」と、車が勝手に走り出したような、あたかも欠陥車両のような言い訳をするが方々がいるようだが、そんなわけはない。
このような人はそもそも、運転能力はおろか記憶力すら低下している。これでは、運転をする資格がない。車のせいにするのは言語道断である。

まとめ

いろいろとダラダラ書き綴りましたが、「楽に乗れる車」と「高齢化」。これは、退化を助長してしまうと思います。

なので、30プリウス、51プリウスの「E」グレードが減らない限り、事故が減る確率は相当低いと予想されます。
幸い、30プリウスは、発売から10年を迎えバッテリーの保証期間が切れるので、保守的な年代による需要は、若干減ることは期待できるのですが。

若い人も踏み間違いはします。しかし、高齢になると反射神経や運動能力、思考能力が落ちることは間違いありません。「自身がある!」というのは幻想です。アスリートではありませんが、自身の衰えを見つめ直し、潔く引退(免許返納)する決断が必要だと思います。
さもなくば踏み間違い事故を防止する安全装置の付いた車に乗り換えるかしてもらいたいものです。もっと言うと、そういう装備を搭載している車しか運転できないルールにするなど、なにか具体的な対策が必要だと思います。

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