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ナイキ ズームフライ。心肺機能か追いつかない危険なシューズ

ナイキ オデッセイリアクトにかなり感動し、更にカーボンプレートが搭載となると一体どうなるのか? ズームフライへの興味は、日々沸々と高まっていた。そんな折、旧モデルがプライスダウン。これは!とばかりに即購入。

早速、走ってみると、このシューズ、想像以上に凄かった。

「なにが??」ですが、簡単に言うと、足が勝手に動きすぎて心肺機能が全く追いつかないのです。

ミッドソール

アウトソールは靴底。ソール以外の部分はアッパー。そして、その間にあるのがミッドソールです。多くのシューズは、フォーム材にEVA(エチレン-酢酸ビニル共重樹脂)を採用。ところが、ナイキの厚底シューズには、ナイキ独自開発の素材が使われている。

モデルミッドソール素材その他
ヴェイパーフライ4%ナイキ ズームXカーボンプレート入り
ズームペガサスターボナイキ ズームX
ズームフライリアクトフォームカーボンファイバーが含まれたプレート入り
エピックリアクトリアクトフォーム
オデッセイリアクトリアクトフォーム
エアズームペガサス35ズームエア

値段が高い順に上から並べたが、耐久性は、下が最も高く、上に向かって低くなる。

となると、上段の4種は、高い割にへたりが早いので、貧乏性の私が練習用に履くには勿体なすぎる。そこで前回は、「オデッセイリアクト」の選択に至った。

一方、レース用には、ミズノの「ウェーブアミュレット」を考えていたが、先日の10kmスピード走で、膝やら足裏がやたらと痛んだ。そうです、すっかりリアクトフォームのクッション性と反発性に慣れ、薄底シューズで走れない体になってしまったのです。

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そんなこんなで、レース用にと、今回ズームフライの購入に至ったのです。

ナイキ ズームフライを履いてみて

重さ測定

まずはいつもの儀式から。

28cmで263g。

おや? オデッセイリアクトより12g重い。アッパーの素材は全体的に薄いのですが、プレートが影響しているのでしょうか?
ソールを手で曲げてみるとかなり硬く、プレートの存在を十分感じることができます。

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履き心地

アッパーは、タン含め一体構造で履き口も薄いので、皆さん言いますが、ストレッチの効いた靴下をガボッと履く感覚です。ランニングシューズでは新感覚です。

フィット感

ひもを締めると甲のフィット感はグッとあがります。ところが、先端は案外ぶかぶかで、シューズ内で足先が遊びまくります。以前、試着の際、親指の爪先がアッパー上部にあたり違和感があったが、ひもを締めて少し歩くとすぐに馴染み、逆にゆるゆる感が気になるくらいであった。
また、かかとのホールド感も低く、正直これで走れるのかと思ったりしました。

歩いてみると

「つま先が無いぞ!」という違和感があります。プレートの影響だと思いますがソールも硬い印象。前後にゆらゆらします。例えて言うと女性が履く「ぽっくり下駄」でしょうか。

走行性能

オデッセイと比較するとプレートの影響かやや硬さを感じますがクッション性としては十分である。

で、驚くのが反発性。
何と言うか、脚が勝手に前方に送り出されるというと分かり易いでしょうか。体を少し前傾させるだけで無意識のうちにストライドが広がります。

走り方によっては慣れが必要と聞いていたが、自分の走り方にはいきなりフィットしました。

そうこうしてると、いつものペースのつもりだが何故か息があがる。足さばきは軽快なのに心肺機能がついていかない。不思議に思いタイムを確認するとびっくり!
普段の必死状態より15秒以上早い。もはやペースがめちゃくちゃ状態です。

そして、苦しくなりフォームが崩れだした時、

  • 少し前傾させよう
  • 膝をあと1㎝上げよう
  • 足の蹴り上げを少し高くしよう
  • 肩甲骨を中心にしっかり腕を振ろう

いわゆる自分の正しいフォームを再度意識すると、シューズが勝手に足を導いてくれる、そんな感覚です。
これ、本当にすごくて、ミッドフット、フォアフット気味の人には強くおすすめできます。

◆時々、かなりお買い得なシューズがラインナップされるナイキ公式ストア
NIKE 公式オンラインストア

弱点は?

当初感じたブカブカは直進走行においては全く気にならなかった。ところが、カーブにおいては、やや安定性に不安がある。シューズ内で足が横に動く感覚だ。ニットの強度とバランスがとれた体重なら良いが、やや重量オーバーだろうか?(180㎝の70㎏だが)

そんなんで、路面に不安定要素の多い夜間のロードは自粛した方が良いかもしれません。

まとめ

自分含め多くのランナーはランニングシューズに、「高いクッション性」「すぐれたエネルギーリターン」、「軽いシューズ」、「すぐれた耐久性」を求めていると思います。

フライニットについては、特にエネルギーリターン、すなわち踏み込んだ足が地面から離れるとき素材が元の形に戻ろうと跳ね返って、足にエネルギーを還元させる、いわゆる反発性がかなり優れていると思います。
ミズノのウェーブアミュレットは、フライニットより片足で36gも軽いですが、自力で足を動かす必要があります。ところが、フライニットの場合、半分は他力本願でOK。

このシューズ、足が勝手に動きすぎて心肺機能が追いつかなかったり、他のシューズには戻れなくなったり、グレードを落とせず、繰り返し求めてしまう中毒性を秘めていたりで、ある意味「危険なシューズ」なのです。

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