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一瞬しか点灯しないコールマン200A700。結局、ぜんぶ分解してみたものの。。。

実家の物入れからの掘り出し物、コールマン81年式のオールドランタン200A700。
30年ぶりくらいでしょうか?先日、ポンプカップの交換とジェネレーターの洗浄だけをし点灯するのか試みました。
ところが、圧をかけてバルブを開放、すると「ジュクーッツツ」という音と共に5秒程度は点火するが、その後「スーーーッ」という音に変わり火も消えてしまった。

では、という事で今度はランタンのもっと深い部分、バルブアッシーまで分解することに。
ところが、点火時間はだいぶ延びたもののやはり消えてしまう。

結局、ジェネレーターを新品に交換するに至ったが、これまた駄目。
最終的に、とあることをしたらようやく点火したのです。今回は、その一部始終の顛末をご紹介します。

コールマン200A700

亡き父の性格はとても几帳面。ランタンケース含め外観は隅々まで手入れが行き届いており素晴らしくきれい。マントルの予備まで数袋入ってました。


「こんなに綺麗なら余裕で点くだろう」と高を括り、ポンプカップの交換のみ実施。
ところが、圧はしっかり掛かるものの全く点火しない。

では、という事でジェネレーターを分解しKURE5-56を吹き付け洗浄。
すると、「ジュクーーッツツ」という音が出、すかさず、火をつけると不安定ながらも点火。
ところが、「よしっ!」と思ったのも束の間、「ジュクーーッツ」が「スーーーッ」という音に変わり、火もスーッと消えてしまった。
その後、数回チャレンジするも結果は同じ。結局、きっちりばらして洗浄することに。

オールドランタンだけあり、部品が節々で違うので写真入りで詳しくご紹介します。

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分解開始

準備したツール

◆スパナ 11mm、13mm
◆モンキー
◆マイナスドライバー
◆キャブ&パーツクリーナー
◆ホルツ 液体ガスケットシール
◆ウェス
◆耐水ペーパー#1200
◆ピカール

ちなみに、分解する際は燃料を抜き取ることが基本ですが、今回は入ったまま実施。分解時、燃料が噴き出る恐れがあるので、燃料タンクの圧は必ず抜く必要があります。(実施の際は、自己責任でお願いします)

1.フレームボトムをはずす

 

ベンチレーターとグローブ(ホヤ)をはずし、ボトムセンターにある6角のナットをはずします。コールマンでは、専用レンチもあるようですが、スパナの11mmでOKです。

 

2.バーナーフレーム(支柱)をはずす

上に引っ張れば簡単に外れます。

 

念のためバーナーチューブも洗浄するので分解します。恐らく15㎜レンチだと思いますが持ち合わせが無かったのでモンキーで外しました。

3.ジェネレーターをはずす

最初にジェネレーター下部のナットを外します。こちらもスパナの11mmでOKです。

 

ジェネレーターは外身と中身の二重構造になっており、まずは外身を抜き取ります。
ジェネレーターの中身は上部から細い芯が出てます。これがジェネレーター外身先端にある小さな穴を塞ぐと燃料が出なくなり、穴を通すと出るという仕組みになっています。芯は折ったり曲げないでください。


そして、中身の下部にある針金のフックを優しく外しジェネレーターの中身を外します。

 

4.燃料調整ノブ(ダイヤル)をはずす

プラスのネジが多いようですが、これは、マイナスネジでした。

 

5.燃料調整バルブをはずす

15mmのスパナで外します。

 

6.カラーをはずす

ここで、ようやくカラーが外れます。まるで、知恵の輪のよう。

 

7.バルブアッシーをはずす

ここが、大変。ナット止めが多いようですが、バルブアッシーに直接ネジ切りがされてるので、こんな感じでモンキーレンチを噛まします。結構力がいります。

 

 

 

タンクから外したら、すべてばらします。この段階で、見ての通り汚れが大量に散らばります。

 

 

ひとます部品を失くさぬよう発泡スチロールの食品トレイに乗せてますが、このまま、キャブクリーナーを吹き付けないでくださいね。トレイがあっという間に溶けだしますので。

 

【番外編】ポンピング部品をはずす

前回、ポンプカップを交換したので、今回はポンピング周辺の分解は割愛しました。
本来ならチェックバルブ&エアシステムも分解した方が良さそうです。
ポンピングをしてるとき反発してきて押しづらいときなどはチェックバルブの不調が疑われるようです。私のもポンピング後半は結構反発するので手のひらで押してます。

ただし、チェックバルブを交換するにはチェックバルブレンチなる専用工具が必要となります。

8.キャブレタークリーナーで洗浄

ここまでバラしたところで、金属パーツにキャブレタークリーナーをたっぷり吹き付け洗浄開始。廃液を出来るだけ簡単に捨てれるようアルミホイルでトレイを作成。

 

 

ジェネレーターの中身も耐水ペーパーでこすりました。

 

最後に各パーツともピカールで磨いて洗浄完了です。

 

9.逆の順序で組立開始

ここで注意しなければならないことが2点。

タンクとバルブアッシーの継ぎ目は、必ず液体ガスケットシール剤をつけ、微塵の隙間もできぬようシールをする。これをしないと火だるまになる可能性もあるようです。(眉唾ですが。。。)

ポンプカップやポンピング部品周辺はオイルをさす。コールマン純正のリュブリカントオイルが推奨のようですが、私は100均の万能オイルを全ての物に使ってます。

テスト開始

ポンピングをし、恐る恐る燃料バルブをオープン。
ところが、明らかに点火時間は延びたのだが、やはり、持って30秒。

 

ついに自力メンテに限界を迎え、コールマンメンテナンス認定店である「SportsX(スポーツクロス)」に相談。「そこまでやったならジェネレーターを交換してみては」とのアドバイスを受けようやくパーツ交換をすることに。

10.ジェネレーターの交換

 

ところが勇んで点火をしたものの、今度は1分くらいが限界。

参りました。ジェネレーターが新品なので原因は、やはりバルブアッシーか?
もう冷静でいられない心情です。無駄とは思いつつ燃料調整バルブのナットを緩めると、当然ですがガソリンが滲みだすなど散々である。

 

11.燃料調整バルブ(ダイヤル)をフルオープン!

このランタン、ダイヤルをオープンにするとかなり回り続けます。
点火後、更に2~3回転させると、

なんと、なんと消えないではないですか。しばらく様子を見ると音は少々大きいものの安定してきました!

 


こんなところに原因が潜んでたんですね。バルブの開きが少なすぎ、圧のかかった最初の燃料しかジェネレーターに届いていなかったのです。

まとめ

いやー、長い戦いでした。復活してほんと良かったです。もしかしたら「ジェネレーターの交換は必要なっかたかも」なんて思ったりしましたが、いつかは交換する日がくるので結果オーライです。

81年製の物がこうして蘇るのは、なんとも感慨深いです。(今回特に)

しかし、このオールドランタン、圧が掛かってるとあちこちから燃料が滲み出てきます。なので、火をつけるたび毎回一瞬、火だるまっぽくなります。

また、燃料バルブの反対側に、ジェネレーターのクリーニングレバー(クリーニングロッド)なるものがついており、このレバーを動かすことでジェネレーター内のニードルが上下し先端のノズルを掃除します。(現行のランタンは、このクリーニング機構がバルブに内蔵されている)
点火時は、下向きにしておきますが、消化した際はこのレバーを上向きにし、かつ、給油口のキャップをゆっくり開けエアーを抜くことで保管時の燃料の滲みは防げそうです。
こういった手間も点火可能となった今となっては可愛いものです。

最近は、壊れたら新しいものに買い替えるという世の中、メーカーさんもそれを前提にモノ作りをしてますが、やはり、壊れたら修理して使うことを前提にした物というのは味があり愛着が湧きますね。ほんと、良かった!

最後まで読んでいただき有難うございました!

 

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