ランニング用のイヤフォン探しがいつの間にやら音質を求めだし、ここ一ヶ月で4つ買ってしまった。
で、前回出会ったゼンハイザーのMOMENTUM Free、「これサイコー!」となったのですが、欲を言うともう少し低域の主張が欲しい。
そこで、今回選んだのがオーディオテクニカ重低音サウンドSOLID BASSシリーズのATH-CKS5TW。
ところが、これ、低音はばっちりだが全体的に音がこもりがち。デバイス側のイコライザ調整を試みても中高域はさほど変化がなく今ひとつ楽しめない。
ところが、あれこれ試しているうちに遂に発見しました。何をって、このイヤフォンと最高に相性の良い音源をです。
Contents
音の第一印象
全域に渡り音の豊かさや質感、特に中高域に関しては圧倒的な広がりを感じたゼンハイザー MOMENTUM Free。欲を言うと、バスドラやベース音、いわゆる低域の主張をもう少し生々しく感じられれば私の好みにベストマッチです。
これは、左右のイヤフォンがコードで繋がれた左右一体式ワイヤレスタイプ。
お初のワイヤレスだが有線タイプと比較するとコードの煩わしさがなくすごく快適。一度このメリットを堪能すると更なる高みを望むのが人の性。
そんなわけで、完全ワイヤレスでも、音質に関してはここ最近、有線タイプに肉薄するとの声を受け、今回は完全ワイヤレスのオーディオテクニカ「ATH-CKS5TW」をセレクト。
どなたかのレビューにありましたが、
- ベースラインがしっかり聴きとれ生演奏感がある
- 低域の量感の多さ
- ベースやギターのドライブ感が心地良く感じられ尚且つボーカルはクリアに聴きとれる
などなどに、すっかり感化されてしまった。
早速聴いてみる。音源はソニーのウォークマンNW-A45。
すると、さすがSOLID BASS。多くのレビュー通り低域はボスンボスンと作られた感のない重厚な低音が鼓膜に響く。
ところがです。中高域含め全体的にかなりこもり気味。ボーカルにおいては、フィルターがかかった印象。しかも、解像感に乏しく(クリアで無い)、音の角が丸まり、くぐもった印象を受けた。
あれれ、と思いながらも様々な曲を聴くと、これ、ジャンルにより合う合わない、つまり得手不得手がはっきりしてるのです。
以下、かなり個人的な感想ですが、
■相性の良いジャンル
- R&B
- 伸びやかな声の女性ボーカリスト(MISIA、Amy Winehouseなど)
- 普通のイヤフォンで聴くとスカスカな印象の昔の洋楽(Queen、Princeなど)
■相性の悪いジャンル
- 歌謡曲っぽいJ-POP
- 男性ボーカルのJ-POP
- ピアノ中心のJAZZ(低めの音階だと音に伸びが無く安っぽい)
- パンクやハードロック(単なる音の塊に聞こえてしまう)
まとめると、こんな感じです。
【低域】:音圧は感じるが解像感が乏しい
【中域】:解像感に乏しくこもり気味
【高域】:高域でも特に高めの音階についてはクリアに聴こえる
ちなみにエージングは約50時間実施しました。
「失敗したかも」と薄っすら思い始めたのですが、試しに音源を変えてみた。
デバイスをウォークマンからiPhoneXSに。まずは、iTunes経由で取り込んだ曲でトライ。すると、かなりこもり感が減少し、低域に張りが出て中高域もクリア。ひとつひとつの楽器の音がきちんと分離した印象です。
その流れで「Amazon Music Unlimited」経由で聴いたら、何とこれがドンピシャ!
AmazonミュージックUnlimitedで聴くと
低域は、しっかり聴こえ存在感とパンチ力があり、かつ、中高域のこもり感がかなり薄れクリアで豊かに聴こえます。作られた感のない音で生演奏にかなり近い。
ちなみにiPhoneXSの純正イヤフォンで聴くと音質は良いものの全体的にスカスカの印象。勝手な想像ですが、iPhoneはウォークマンに比べると出力が少し低く、それよりもう少しだけ低いのがAmazon Music Unlimited かなと。
そのお陰で、ATH-CKS5TWの特性とAmazonミュージックの帯域が見事にバランスし、存在感のある低域とクリアで豊かな中高域が再現できた気がします。
試しに、ATH-CKS5TWを手にした方は、Amazonミュージックで「麗蘭 がらがらヘビ」と検索してみてください。
Amazon内を回遊してるときたまたま耳にした楽曲ですが、ドラム、ギター、ベースに加えパーカッションの音が生々しすぎて身震いするほどです。これぞまさに私の求めていた音です。
と言えども、Amazonミュージックも万能なわけではなく、相変わらず歌謡曲っぽいJ-POPなどは、やや苦手なようです。
ATH-CKS5TWの気になる点
一度ペアリングしたBluetooth機器とは、再度ペアリングする必要はありません。本製品は履歴を保存できるマルチペアリングに対応しています。
とありますが、とにかくペアリングが不安定。
充電ケースから取り出し、「Power on」「Bluetooth connected」のアナウンスが流れ気持ちよく繋がるのは稀なこと。
取説に載ってる、調子の悪い場合の対処方を試しても全く改善しない。
遂にメーカーさんに点検してもらうことに。
すると、「イヤフォンを充電ケースに収納した状態でR(右)とL(左)側のマルチファンクションボタンを同時に約6秒長押ししたら回復します。この方法は取説にも記載してます。各部の点検も済ませ異常なし」とのお返事。
えっ?と思いWeb上の取説を確認すると、なんと「工場出荷時用」と「ファームウェアアップデート時用」の取説が別々にあったのです。
確かにアップデートはしたのに読んでた取説は工場出荷時点のものでした。それには、R側のみ6秒長押しと書いてあったけど意味なかったんですね。
完全なる私の勇み足。ということで猛少しつつ戻ってきたイヤフォンを開封。
ところがです、調子が良かったのは初日のみ。あとは、ほぼ毎日、充電ケースから何度も出し入れしたり、ファンクションボタンを押したり、一度ペアリングしたデバイス側の記録を削除したり5分以上は格闘。挙句にR側は無反応になる始末。もうストレスマックスです!
面倒ですが、再度メーカーさんにランニングテストを直訴。すると、代替品が送られてきましたが、こちらはあっさりペアリング。今まで何だったのと思うくらいストレスフリーです。
要は、外れだったんですね。
しかし、ATH-SPORT90BT、ATH-CKS5TWと立て続けのペアリング不良。
オーディオテクニカさん、もしかしてBluetoothは苦手な領域?と疑ってしまいます、、、
まとめ
万能なイヤフォンでなく、音を鳴らすデバイスやジャンルを選ぶという曲者イヤフォン。
でも、「ATH-CKS5TW+iPhoneでのAmazon Music Unlimited」との組み合わせなら、迫力のある低音とクリアで素直な中高域かつ、生音に近い迫力を味わえ、おすすめの組み合わせです。
それと、エージングの効果には賛否両論ありますが、このイヤフォンについては是非やったほうが良いです。というのも、エージングをする前は音がひと固まりな感じでしたが、ボーカルやそれぞれの楽器があきらかに分離するのが体感できます。
総括すると、私の個人的な好みにはマッチした、音に浸れるイヤフォンでした。
ところで、ランニングでも使ってみたのですが、ボディーはやや大きめ、かつ重心が外側なためちょっとした振動で突然ポロリします。(笑)
よっぽど耳の形が合う人でないとおすすめはできません、、、